賃貸物件に住んでいるとよく聞くトラブルが、備えつけられている電化製品や家の一部の故障です。
物にも寿命があり、月日が経てばいつかは劣化し、使えなくなるものです。
しかし、日本で生活しているときと比べると、修理したり部品を交換する頻度が多いように感じました。
今回はアメリカ生活の間に修理・交換したもの、起きたときの状況、そして解決するまでの経緯を紹介します。
- 賃貸で修理や交換が必要になったときの対応方法
- 修理を依頼するときの手順
- 修理・交換の事例紹介

修理や交換、メンテナンスは管理側が受け持つ

アメリカのアパートやタウンハウスは冷蔵庫や洗濯機など生活に必要な家電が最初から設置されている場合が多いです。
そして日頃のメンテナンスやトラブルが起きた際にはオーナーや管理会社側が責任を持って対応するようになっています。
どんな状況のときにどこまで対応するかは契約書に記載してあります。
契約書にない場合でも対応してくれたり、交渉次第で良い条件を引き出すことも可能です。
自己負担で対応するのか、管理側に依頼してよいのか判断に迷った場合はまず連絡して見るのが一番です。
電球の交換やドアの立てつけの修理など「こんなことまで対応してくれるのだろうか?」と思うことまで修理してくれて驚きました。
修理や交換が必要な場合の手順
- リーシングオフィスまたはオーナーに連絡
- オフィスまたはオーナーから修理業者に連絡
- 修理業者の日程調整
- 修理業者の訪問・修理
- 完了報告
まずは管理側に連絡することから始まります。
依頼内容によって管理会社のメンテナンス部門が直接対応するか、外部業者に委託するか異なります。
私の住んでいたアパートではメンテナンス部門があり、よほどのことがない限りは内部のスタッフがマルチ対応していました。
注意しておきたいのが、状況確認や修理には住人が留守でもマスターキーを使って入ってくることができるということです。
事前に確認してくれれば、選択の余地があるのですが、予告なしに留守中に作業が終わっていて驚いたことがありました。
家主や不在のときに見知らぬ人が家に入ることに抵抗感のある人は多いと思います。
幸い私はトラブルはありませんでしたが、それ以降は連絡するときに自分から不在時には入らないで欲しいことを伝えています。
作業をするときは土足で出入りするのが基本です。お願いすれば靴を脱いでくれることもありますが、作業内容によっては安全靴の着用が必要なこともあり、脱ぐことができません。簡単に着脱できる使い捨てのシューズカバーを用意しておくと安心です。
修理に来てくるまで時間がかかる?
家の中のもの、特に生活必需品の家電が使えないとなると不便で困りますよね。
トラブル時の対応の良さも評判のうちに含まれるので基本的には迅速に対応しています。
しかし、前述したようにアメリカではリーシングオフィスやオーナーを通して手続きをするのでなかなか対応に来てもらえない場合もあります。
特に、アパートは多くの戸数があるので、対応の早さはタイミングで差が出ます。
対応する部門の人数や作業時間は限られており、依頼が多ければその分、自分の番は後になります。
ただし、必ずしも依頼した順番に対応する訳ではないようです。
緊急性の高いもの、簡単に直せるものなど依頼内容によっても優先順位を決めています。
対応してもらえるまで1~2日かかることは一般的で、もっと長く待つこともあります。
3日以上経っても来てくれない時は忘れている、チェック漏れ、連絡漏れしている可能性もあるので再度連絡してみましょう。
修理・交換してもらったものの例
食洗機
2回故障し、2回目には総付け替えになりました。
1時間ほど修理を試みていましたが、結局取り換えた方が良いということで、修理担当者とオフィスで話をしました。
新しい食洗機は注文して購入する必要があり、到着してから改めて作業をすることになりました。
注文してから時間がかかると思いきや、翌日に新しい食洗機を取り付け完了。
他に食洗機や洗濯機を取り換えてもらったことのある知り合いに聞くと、驚くほど速かったようです。
大体1週間、もっと遅ければ2週間以上かかったという人もいました。
私のアパートでは住人は家電の種類やメーカーを選ぶことができず、管理側が準備したものを新たに取り付けてもらう方式でした。
中には住人に選択権がある場合もあるので、その時は自分が使いやすいものをじっくり選ぶというのもいいですね。
ディスポーザー
キッチンのシンクに取り付けてある生ゴミ粉砕処理機のことです。
アメリカのシンクには備えつけてあることが多いですが、よく故障します。
大きなゴミを入れてしまったり、量が多すぎで詰まったり…
私はときどき気付かないうちにスプーンやフォークを落としたまま使ってしまったことがあります。
3回ほど動かなくなりましたが、修理はいつも短時間で終わりました。
修理の方もよくある故障のようで手際がいいです。
洗濯機
1度脱水機能が故障しました。
脱水中に変な音が鳴るようになり、それ以降脱水ができなくなったのです。
修理に来てもらえるまでは2日待ち、修理時間は3時間程度です。
故障した当時は夫婦だけで洗濯物が少なかったのが幸いし、さほど影響はありませんでした。
エアコン

3回ほど故障しました。
1回目は冬、2回目は春に起きましたが、平日で気温も過ごしやすい時期だったので影響は少なかったです。
連絡して当日または翌日に直してもらえたので運もよかったと思います。
しかし3回目に故障したのは8月の真夏日!
ヒューストンで夏にエアコンが故障するのは死活問題です。
そして間の悪いことに週末に調子が悪くなったのです。
連絡したとしても週末は修理に来てもらえないだろうから月曜の朝一番にオフィスが開いたら対応してもらおうと考えました。
生後まもない乳児がいることを伝えれば緊急性が高いと判断してもらえるだろう、と。
家の室温はどんどん上昇し、アパート内の廊下の方が涼しいくらいでした。
ホテルに泊まることも検討しましたが、乳幼児連れでは荷造りが大変なので1晩様子見することに。
昼間はなるべく外で過ごし、夜はシーリングファンと扇風機を使ってしのぎました。
週明けに連絡するとすぐにメンテナンス担当が対応してくれました。
そして今回のように緊急性の高い状況であれば夜間や休日に対応しているオフィスの連絡先に電話すれば対応可能だったと知りました。
エアコンの故障は夏に起き、体の弱い立場の人もいるとなれば夜間休日でも対処してもらえるということがわかりました。
トイレ

アメリカの家はトイレがよく詰まるというのは有名な話なのではないでしょうか。
我が家も例外なく詰まったことは数知れず…。
ラバーカップ(いわゆるすっぽん)やパイプクリーナーなど詰まり解消の道具で自己解決していました。
中には自分達だけでは詰りが取れずにプロにお願いするケースもあるようです。
バスルームが複数あれば生活はできますが、使えないと不便なので早めに対応してもらうに越したことはありませんね。
電球・電灯

故障ではありませんが、電球が切れたら交換してくれるアパートは多いです。
特に天井の高いタウンハウスや一軒家を借りている場合、ときどき一般家庭にある脚立では届かない位置にライトがあります。
こうした場所の電球は依頼して交換してもらうのが安全です。
ベランダのドア

ベランダの出入口のドアの開閉がうまくいかず、鍵がかからなくなりました。
タイミングよく、連絡するとすぐに対応してくれて直りました。
ドアの滑りをよくして鍵の部分も調整したようです。
鍵がかからないと安全面で不安があるので、早く来てくれたのかもしれません。
水漏れでクローゼットにカビ発生
エアコンの機械室の水漏れが原因でクローゼットにカビが発生するという事態が起きました。
5日間の旅行から帰宅したらクローゼットの壁の一部に異変を見つけました。
(※暑い季節だったので留守中もエアコンは稼働していました。)
下部分の壁が変色していたのです。
近付いて見るとカビが発生していました。
機械の故障で水の排出ができず、貯まってしまい、隣接するクローゼットにも影響が出たようです。
オフィスに連絡すると、当日状況を確認しに来てくれ、翌日から機械と壁の修理が始まりました。
クローゼットは作業スペースの分、荷物を移動し、残りはカバーと床にシートを敷いての大がかりな作業です。
どうするのかと思えば、大胆にもカビの発生した部分だけを切り取り、新しい壁板をはめて接合していました。
機械の修理と機械室のカビの処理も合わせ、作業に半日程度かかりました。
このとき驚いたことは、クローゼットに置いていた物の補償をしてくれたことです。
カビによって使えなくなった物がいくつかありました。
使えなくなった原因は管理側の直接的過失が原因ではないにせよ、住人側にも落ち度はありません。
ダメ元でマネージャーに交渉してみたら管理側が加入している保険で対応できるという回答でした。
使えなくなった物のリスト、写真、購入時の値段、カビ発生時の価値(補償して欲しい金額)をメールすれば検討してくれるとのことでした。
メールを送って2日後に回答が来て、リストの物すべてを補償してくれました。
お金は翌月のアパートの賃料と相殺することになり、差し引いた金額を振り込みました。
まとめ
こうして書き出してみると結構な回数で修理の依頼をしていますね。
間違った使い方をしたり、乱雑に扱っている訳ではないのに故障してしまうことはよくあることです。
最初は戸惑うかもしれませんが、次第に割り切って対応できるようになります。
そして私の住んでいたアパートは知人の話と比較すると対応は早い方だったと思います。
長い場合だと数日から1週間程度待たされることもあると聞きます。
途中でオフィスの管理会社が変わり、メンテナンスサービスも格段によくなったと感じました。
また、いかに早く対応してもらえるかは情も関係してくるので、依頼するときには困っている状況や個人的な理由もうまく伝えることが大事です。