車社会のアメリカでは運転は生活に欠かせないものとなっています。
自家用車の利用者が多い分、事故も頻繁に起きています。
前回は私がアメリカで交通事故に遭った経験とその対処法として駐車場で起きた事故についてお伝えしましたね。
この記事では交差点で起きた事故と行った対処、反省点を紹介していきます。
- アメリカで事故に遭った場合の対処方法が知りたい
- 交差点で事故に遭った場合の対処方法が知りたい
- 国際免許証しか持っていない時に事故に遭ったときはどうなるのか知りたい

交差点で交通事故が起きた状況

駐車場での事故から約一週間後、気を引き締めようと思った矢先、今度は私が大きな事故を起こしました。
幸い怪我人は出ませんでしたが、双方の車に大きなダメージがありました。
事故が起きたときの私側の状況は以下の通りです。
信号のない交差点で左折しようとしたところ、交差する道路を走行する車と衝突しました。
相手が走行していた道路の方に優先権があり、直進車の進路妨害になってしまうので一般的には私の分が悪いです。
が、左折できると思ってハンドルを切ったのには理由があります。
相手側がウィンカーを出しながら交差点に近づいてきたのでそのまま直進せずに右折すると想定しました。
運転手は単にウィンカーを消し忘れたのか、間違えたのか真相はわかりません。
結果として曲がらずに直進してきたので私の見極めが甘かったことは確かです。
また左折のタイミングを待っている間、後続車が執拗にクラクションを鳴らして急き立てていました。これも判断を誤った原因のひとつだったと思います。
交差点での事故後の対処
まさか自分が事故を起こすなんて思ってもみなかったので、頭が真っ白になりました。
駐車場での事故の経験をもとに対応しようとしましたが、冷静な対処はできませんでした。
以下が事故直後から警察の聴取が終わるまでに行った私の対応です。
- 怪我人がないか確認する
- 車を交通の妨げにならない場所に移動する
- 事故車や現場の写真を撮影する
- 警察に連絡して現場検証と聴取を行い、ポリスレポートを作成してもらう
- 夫や夫の会社の人に連絡してアドバイスをもらう
事故直後の対応
怪我人がいないことが確認できると、相手側の運転手が警察に連絡をしました。
そして車を安全な場所に移動してから警察が到着するまでに、夫や夫の会社で現地生活の相談も担当している人に連絡をしました。
どちらもすぐには連絡が取れず、現場検証と事情聴取が終わるまで一人で対応することになります。
この時、私はまだテキサス州の免許証を取得しておらず、国際免許証のみで運転していました。
国際免許証のみの場合、事故の記録がどう影響するのかとても心配でした。
「州の免許証を持っていないことでさらに悪い状況になるかもしれない。」
「無免許運転だと勘違いされて罰則や国外追放になったらどうしよう?」
とどんどん悪い方向に不安が募っていきました。
警察の現場検証と聴取
警察が到着してからは、事故相手とは別にそれぞれ現場で事情聴取を行いました。
まずは身分証明書(通常であれば州の免許証。私は国際免許証とパスポートを見せた。)と車の保険証を提示します。
このとき、約2ヶ月前にアメリカに住み始めたばかりでテキサスの免許証は持っていないことを伝えました。
国際免許証は見慣れないようで他の警察官と相談しながら確認されました。問題なかったようで一度パトカーに戻って記録を取ったらすぐに返却してもらえました。
最初の手続きが済むと事故発生時の状況を説明です。
しかし説明しようにも英語で正確に伝えることができません。
今なら簡単に出てくる「intersection=交差点」や「turn signal, indicator=ウィンカー」という単語すら思いつきませんでした。
ボディランゲージと拙い英語で説明しても言いたいことの半分も伝わってなかったと思います。
事故の原因について警察の判断
それぞれの運転手から話を聞いたらポリスレポート(事故に関する記録と警察の見解)を発行してもらいます。
この用紙が保険会社の手続きに必要なのでとても重要なものです。
「You don’t have any penalty, but it’s your fault!!」と言って笑顔で事故記録を記載した紙を渡されました。
つまり警察の判断では100%私の非であるということです。
事故後の対応についての反省点

当時の私は外国で事故を起こすという状況に一人で対処しなければならず、まさにパニック状態でした。
気が動転していたことで涙が溢れ、警察が到着するまでひと目も憚らずに泣いてしまいました。
- テキサス州の免許証を持っていないことが更にトラブルを招くかもしれない不安
- 英語で正確に伝えきれないもどかしさ
- 自分の対応が正しいか判断が難しく、アドバイスが欲しい
こうした不安が大きく冷静さを欠いていたことから、事故後の対応が満足にできず、後悔が残る結果になり非常に残念でした。
事故が起きてしまったことは仕方ないですが、もっと適切な対応ができたはずだと考えてしまうのです。
この経験から考えた反省点、改善点は以下の6つです。
1、現場検証では母国語の通訳を依頼する
交通事故の公平な判断を下すためには言語による弊害が少ないことが原則だそうです。
これは後に警察官の講習を聞く機会があって知りえた情報です。
警察では言語が不自由であれば通訳者を介しての事情聴取を行ってくれるそうです。
当日現場で行うことが難しいのであれば、日を改めて行います。
手間はかかりますが、事故の賠償負担と翌年以降の保険金額アップを考えると、時間をかける価値はあると思います。
2、事故相手にひるまない、隙を見せない
私の事故相手相は態度が非常に高圧的で怖かったです。
事故が起きて車から降りてきた時から怒りをあらわにし、警察が来るまでの間、「どちらが悪いと思うか?」という質問を何度もされました。
「事故が起きた原因はどちらにもあると思う。結果は警察が決めることだ。」という返答をしたのですが、これが正しかったのか今でもわかりません。
そして私が警察に状況説明をしている時も、口を挟んできました。
アメリカでは本当に悪いと思っている、明らかに自分に非があると納得しなければ謝らない方がよいという話は聞いていました。
これに加え、言質を取らなくとも脅すような態度で優位に立とうとする手段を用いる人がいるという事実を身を持って知りました。
自分が不利な立場にならないように、相手に感情を悟られない、隙をみせない努力が必要です。
3、夫の職場関連の電話番号を複数聞いておく
事故直後、対応の相談のため、まずは夫に一報入れようと電話しました。
しかし、一向に繋がりませんでした。
次に会社で駐在員やその家族のアドバイザー的な役割も担っている方に連絡しました。
こちらも事故直後は繋がりませんでした。
今考えると危機感がなくて信じられないことですが、私は夫の職場の代表電話を知りませんでした。
そして個人的な友達や知り合いがいない状況で夫と会社以外、現地で頼れる人はいないのです。
誰とも連絡が取れないとさらに不安が増します。
最終的には同じ会社に勤務する奥様→ご主人→夫の事務所→夫という非常に遠回りしてなんとか連絡を取ることができました。
ただし、すべて終わってからでした。
現場検証が終わる前に連絡が取れていれば、他のアドバイスも聞けて少しは違う結果になっていたかも…と後悔しています。

4、慣れない外国だからこそ外出先はスマホが必要
すでにスマホが普及していた頃だったので英単語や夫の会社の電話番号はインターネットで検索して調べればわかります。
信じられないかもしれませんが、私は当時外出先で使えるスマホを持っていませんでした。
アメリカで使える携帯は夫が日本で契約した海外用のガラケーでした。
理由はクレジットヒストリーがない渡米当初は携帯の新規契約にデポジットが多くかかるからです。(夫は会社支給のスマホを使っていました。)
日本で使っていたスマホは手元にあってもWi-Fiがないとおもちゃ同然です。
わからない単語は電子辞書で調べながら会話し、筆談も交えてなんとか生活していました。
でもスマホがあれば翻訳や検索機能で簡単に解決できたこと、改善できたことがあると思います。
5、事故相手の車の写真を念入りに撮っておく
後日、事故処理の交渉のためにも事故現場やお互いの車の状態を写真に残しておくことは重要です。
私も何枚か写真は撮りましたが、相手の車の写真は十分に撮れませんでした。
2で説明したように相手の態度が怖くて近くで撮影することができなかったのです。
しかし、警察が来たときに立ち会ってもらいながら撮影すればよかったと思います。
6、煽った後続車の写真を撮り、ナンバーを控えておく
これは警察や保険会社の判断への影響があるか不明ですが、事故に関わった情報のひとつとして提供する価値はあります。
ただ、1人だと事故が起きた直後はそこまで気が回る余裕がないでしょう。
後続車も関わりたくないはずなので即座に事故現場を離れると思うので難しいですね。
同乗者がいれば情報の記録をお願いするのがいいでしょう。
まとめ 事故に遭って得た教訓
交通事故の経験と対処、そして反省点をお伝えしました。
冷静になろうと努力しても想定外の出来事が起きるとなかなか難しいものです。
事故が起きた直後の対応をもう一度確認しておきますね。
- 怪我人がないか確認する(必要な場合は病院へ搬送または救急車を呼ぶ)
- 車を交通の妨げにならない場所に移動する
- 事故車や現場の写真を撮影する
- 警察に連絡して現場検証と聴取を行い、ポリスレポートを作成してもらう
- 信頼できる第三者に連絡してアドバイスをもらう
そして私の反省から以下のことにも注意しましょう。
もしも事故に遭ったとしても少しでも自分に不利になることを防ぐことができると思います。
- 交通事故に遭って英語で説明が難しい場合はネイティブスピーカーでないことを主張し、通訳者を介して現場検証を行うようにする
- 事故相手には毅然とした態度で対応する
- 事故相手の車の写真を十分撮っておく
- パートナーの職場の電話番号は確実に繋がるよう複数聞いておく
- (可能であれば)夫のボスまたは同僚の連絡先も聞いておく
- 携帯電話はインターネットが繋がるスマホを持つ
この後、保険会社との連絡、車の修理などを行っていきます。
その点については別の機会に紹介しますね。
この記事が誰かのお役に立てれば幸いです。

