駐在妻

駐妻の現地就職 ビザや期間限定の滞在は採用で不利?悩み・不安の解消とアドバイス

 近年、駐在員に帯同する家族の中でも赴任地の企業に就職する人が増えてきていますね。

ところが働きたい気持ちはあっても、海外での就職活動は勇気が足りずに思いとどまっている人もいるでしょう。

「駐在帯同という時間的制約があるのは採用で不利になるのでは?」

「自分は永住権、市民権を持っている人に比べてビザ保持者という点で劣っているのでは?」

このような点をマイナス面であると想定して不安になる方もいるのではないでしょうか。

もしも就職活動に踏み出せない理由が語学力やスキル以外のものであれば非常にもったいないです。

また、すでにアメリカで就職活動をしていてつまずいた場合、うまくいかない原因だと考えてしまっているかもしれません。

しかし、これらの考えは思い込みの可能性が高いです。

そこでアメリカで労働許可証を取得し、現地企業に就職した元駐在妻の私が上記の心配や悩みを解決するアドバイスと就職活動の対策を紹介します。

こんな方に向けた記事です
  • 現地就職を考えているけれどビザや滞在期間がネックになりそうで心配
  • 就職活動をしていてビザや滞在期間を理由に断られた
  • アメリカでの就職活動を成功させたい

アメリカで帯同家族として合法的に働くための準備

まず、大前提としてアメリカで働くことができるか確認しましょう。

合法的に収入を得るために以下の手続きが必要です。

  • 自分の保持しているビザで就労可能であるか確認
  • 労働許可証(EAD)を取得

就労可能なビザを保有していれば、労働許可証を取得すれば働きことができます。

駐在員のビザはEとLが主流ですから、手続きをすれば多くの方が働けるということですね。

労働許可証はUSCISの公式ウェブサイトから申請します。

I-765の申請書についてはこちらから確認できます。

申請手順や取得までのアドバイスは別の機会に紹介しますね。

現地就職の不安・悩みと解決のためのアドバイス

冒頭でも触れたように、駐在妻の立場は現地就職に不利になると思っている方もいう考えは思い込みの可能性が高いです。

就労可能なビザを保持していることを前提として、疑問点を検証していきましょう。

1、帯同ビザ保持者の駐在妻の就職活動は不利なのか?

答え:基本ならないことが前提だが、不利になる場合もある

就職活動をしている人、これから始める予定の人の中には、疑念が頭をよぎることもあるでしょう。

「駐在妻がEADを取得して働くのは永住権や市民権保持者と比べて難しいのでは?」

以下のような経験をした場合、その考えがより深まってしまうかもしれません。

  • すでに何社か受けてみたけれど、手ごたえがなかった。
  • お互いの情報のやり取りの最中に連絡が途絶えた。
  • 面接の時の相手の反応が良くなかった。

まず、配偶者のビザに付随してアメリカに住んでいる駐在妻は、すでにビザを保有しているので雇用側がビザ取得のお金を支払う必要はありません。

一方、アメリカの他の会社で働いている人や日本在住者が就職活動をする場合なら、雇用側は採用するためにビザのスポンサーになり、取得までに多額の費用と時間が必要になります。

そうした手間がない点では永住権や市民権保持者と同じであると言えます。

つまり、すでに就労可能なビザを持っている点では大きな壁をクリアしています。

 

次に、雇用側の会社や採用担当者の方針によっては影響があります。

ビザについて最初から応募条件に記載している、そして記載がなくとも担当者の裁量で判断されることがあります。

ビザのステイタスは変更しようがないので、採用側の方針でこの点を理由に断られたら仕方がありません。

対策方法は受ける前にビザについての条件があるか入念なリサーチをしておくことです。

  • 会社により採用基準が異なる
  • 採用担当者の采配が大きい
  • 明示していなければ応募の際に確認する

 

2、採用担当者は本当に長期的に働ける人を採用したいのか?

答え:

将来のことが不明なのは永住権、市民権を持っている人も同じなので関係ない。

長期的に働く人を採用したい場合でもアメリカでは転職は一般的なので人材の流出入があることが前提になっている。

「駐在帯同中の数年間しか働けないのは申し訳ない。」

「働く前から期間限定とわかっていて、終わりが見えているなら採用されなくても仕方がない。」

このように考えてしまうことはありませんか?

 

まず、駐在帯同期間だけ働くことに負い目を感じる必要はありません。

日本人は仕事や会社に対してとても誠実で正直なように感じます。

せっかく採用してもらったのに短期間で離職するのは申し訳ない、と考えてしまうようです。

 

永住権、市民権保持者でも1カ月先、半年先、1年先のことは誰にもわかりません。

家族の転勤や健康を理由に辞めることはこれらの人だって普通にありえるのです。

また職場が合わずに数日で辞める人や、自分自身のステップアップのために途中で転職する人だっているはずです。

それぞれ人生計画や予期せぬ出来事を理由に短期間だけ働くことは悪いことではありません。

 

そして自分が配偶者の転勤に帯同していて、数年後には帰国する予定ということを自ら言う必要もないです。

採用時に未来の不確定なマイナス要素を話すことはしない方が良いからです。

「駐在員は滞在年数が決まっている」といってもそれは絶対ではありません。

予定していても任期が延びたり、逆に突然帰任になったりします。

場合によっては配偶者が現地企業に転職して永住することだってありえます。

 

私はアメリカ生活のすべてを知っている訳ではありません。

それでもアメリカで約束や予定していたことは頻繁に変わるし、「その時になってみないとわからないから予定と違った結果になったとしても仕方ない」という考えで受け入れられることを知りました。

「数年後にはこの土地を去ることが確定している」と自己判断して可能性を狭くすることや、諦めてしまうのはもったいないです。

 

本気でその会社に就職したいと思っていて、相手にどのくらいの期間住む見通しか質問を受けた場合は、ビザの期限と更新の可否を伝えます。

予定している配偶者の駐在任期をバカ正直に言う必要はありません。

ここで何が重要かと言うと、ホンネとタテマエを使い分けることです。

やりたいことがあるのならば自分の利益を優先すべきです。

現地就職を実現するための3つの対策

上記のアドバイスを踏まえ、アメリカでの就職活動の対策を3つ説明します。

1、応募する会社のスクリーニングをしっかりしておく

応募や面接など早い段階で自分の持つビザで問題ないか会社に確認しておきましょう。

最初からNGの会社を知っておくことで無駄な労力を避けることができます。

確認後に段階が進んでも落ちた場合は、単純に自分の能力が足りない、または会社の求める人材にマッチしなかったということです。

2、滞在期限や将来の展望を聞かれたら不利なことは答えずに可能性の話にとどめておく

日本の会社のように忖度する必要はありません。

なぜならば、アメリカの会社と従業員との関係性はドライだからです。

「従業員は会社に尽くすのが当然」「育成にお金をかけた分、仕事で還元しなければ裏切りになる」という日本のような風潮は強くないと私は感じています。

お互いに利害関係が一致しているときに会社と従業員という関係性が成り立つのであって、利害関係が崩れた場合、簡単に転職したり解雇したりします。

真面目な人は悩んだり、負い目を感じたりするでしょうが、気にしなくて構いません。

考える時間がもったいないので上手くホンネとタテマエを使い分けましょう。

3、コネやツテを作る

アメリカ社会はコネが重要です。

知り合いの紹介や口利きで就職先を見つけることは珍しくありません。

紹介してもらえるというのは、誰かが身元や人柄、能力等を保証してくれるので、普通に応募するよりもはるかに印象が違います。

そしてコネやツテを使うことで自分では見つけることができなかった良い就職先に出会うことができ、採用で有利になります。

 

しかし、「アメリカ滞在歴が短い外国人には有力なコネやツテなんて作れないのでは?」と思いますよね。

アンテナを張っておくと同時に、周囲に就職活動していることを話しておくだけでも十分です。

何気ない日常会話をする際に、自分はどんな経歴で何の仕事を探しているのかということを伝え、何か良い情報があれば教えて欲しいとお願いしておきます。

ESLやボランティア、趣味の活動に参加しているなら自ら広報活動をすることで機会が得られる可能性はあります。

私の印象では教会や図書館のESLの先生はボランティア精神が高く、人脈も広いです。弁護士、NASAのエンジニア、会社経営者、大学教授、医者など先生自身や家族もハイスペックで驚きました。おそらく私はESLに通っていなければこのような方々とは知り合いになることはなかったと思います。また、ESLの友達や現地校の保護者なども有力な情報を提供してくれることもあります。実際に友達経由で一度、夫にオファーがありました。また通っていたコミュニティーカレッジでも就職活動中のアピールをしているクラスメイトがいて、こんな風に自分を売り込み、情報を集めるのかと驚きました。そして私自身も縁あって就職した現地企業も友達の紹介がきっかけです。

どのような繋がりで良い縁がめぐってくるかわかりません。

親身になって手助けしてくれる人が身近にいるのであれば力を貸してもらいましょう。

まとめ アメリカ就職には準備と割り切りが大切

就職活動への不安があるときや、難航しているときは外的要因が理由だと考えるかもしれません。

海外での就職活動は上手くいかないこともあるでしょう。

本気でチャレンジしたいのであれば、ビザや滞在期間を言い訳にしないで、チャンスをつかむために以下のことが重要です。

  • 成功するためにスクリーニングをしっかり行い、リスクを下げておく
  • 駐在帯同期間だけ働くことを負い目に感じない
  • ホンネとタテマエを使い分けてドライに接する
  • アンテナを広げ、コネやツテ作りの種をまく

用意周到に準備し現地企業の採用を勝ち取りましょう!

このブログがアメリカで就職活動をしている方のお役に立てば幸いです。

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