出産

2020年版 多重国籍の赤ちゃんのアメリカのパスポートを取得する方法

日本人の子供がアメリカで生まれると、その子供は日米両方の国籍を持つことになりますね。

これはアメリカが国籍に関して出生地主義を採用しているからです。

アメリカで赤ちゃんのパスポートを取得する方法を紹介していきます。

 

こんな方に向けた記事です
  • アメリカで生まれた子供のアメリカパスポートを取得したい
  • アメリカのパスポート申請手続きについて知りたい

 

尚、この記事ではアメリカで生まれ、日本とアメリカの両方の国籍を持つ場合に焦点をあてます。アメリカ国籍を持つ配偶者と結婚し、日本またはそれ以外の国で生まれた場合は手段が異なる場合がありますので、居住地域の在外公館で申請方法をご確認下さい。

アメリカのパスポート申請に必要なもの

 

まずは申請に必要なものをアメリカの16歳以下の子供のパスポート申請方法についてウェブサイトに掲載されている順で確認していきましょう。

  1. Application Form DS-11(申請用紙)1部
  2. Evidence of U.S. Citizenship(出生証明書)原本1部
  3. Photocopy of U.S. Citizenship Evidence(出生証明書のコピー)白黒コピー1部
  4. Evidence of Parental Relationship(親子関係の証明) 
  5. Present ID(両親の身分証明書)
  6. Photocopy of ID(両親の身分証明書コピー)各1部
  7. Parental Consent(保護者の同意)
  8. Passport Photo(パスポート用のカラー写真) 1枚
  9. Passport Fees(申請費用)
  10. Social Security Number(社会保障番号)
  11. DS-3053(両親がパスポート申請に当日同行できない場合の同意書)1部

1、Application Form DS-11

パスポート申請用紙です。

申請用紙は政府機関のウェブサイトから入手して記入します。

サインは申請時に現地で保護者の同意を確認した後に行うので空欄にしておきます。

Form DS-11の入手方法

オンラインで入力すると各項目の文字が綺麗に記入できて便利です。

ただし印刷するときは片面印刷ですので注意しましょう。

2、Evidence of U.S. Citizenship 

パスポートを申請するためにはアメリカ国籍を持つことを証明する必要があります。

アメリカで生まれた場合、Birth Certificateという書類を取得して使います。

Birth Certificateは日本の戸籍と同様の意味を持ち、アメリカの公的手続きに必要です。

後述するSocial Security Numberと並ぶ重要な書類です。

出産後、病院で出生に関する書類を記入し、提出すると子供の情報が登録されます。

地域差もありますが、一般的に提出から登録完了には2~4週間程度かかると言われています。

アメリカの公的機関(市、郡など)が発行し、登録官の署名がある正式な書類を取得します。

費用は地域によって様々ですが$25前後です。

ちなみにテキサス州の機関で発行する場合は$22、ヒューストン市の場合は$23です。

病院によっては病院独自に出生証明書を発行しているところもありますが、この書類はBirth Certificateとして公式的な効力はありませんので注意して下さい。

Birth Certificateの取得方法

居住地域の担当部署に申請して取得する方法が3つあります。

  1. オンラインで申請し、郵送で受け取る
  2. 郵送で申請し、受け取る
  3. 取り扱いオフィスで直接申請し、当日発行してもらう

CDC(Centers for Disease Control and Prevention/米国疾病管理予防センター)のサイトから各州の問い合わせ先を調べることができます。

管轄のオフィスがわかれば上記のうちいずれかの方法で申請します。

新型コロナウイルスの影響により、2020年は多くのオフィスが閉鎖または訪問は事前予約のみの申請を受け付けしています。手続きに関する情報は随時変更されるので、直接オフィスで取得したい場合は訪問する前に管轄のオフィスの営業状況を確認して下さい。

3、Photocopy of U.S. Citizenship Evidence

取得したBirth Certificateのコピーです。

白黒印刷でコピーします。

4、Evidence of Parental Relationship

親子関係の証明は出生証明書を使います。

出生証明書には両親の情報も記載されています。

5、Present ID

申請する両親それぞれの身分証明書です。

州の運転免許証、パスポート、グリーンカードなどのうちいずれかです。

通常は免許証だけで十分ですが、念のためパスポートも持参しておくと安心です。

6、Photocopy of ID

申請する両親それぞれの身分証明書のコピーです。

運転免許証やグリーンカードなら表と裏のコピー、パスポートなら顔写真のあるページをコピーします。

7、Parental Consent

16歳以下の子供がパスポートを申請するには両親、保護者の承諾が必要です。

申請するときに現地で書類にサインします。

8、Passport Photo

パスポート用の写真を撮影し、規定のサイズに切ります。

サイズ以外にも細かな条件があるので、この要件を満たしているか確認しながら準備します。

パスポート写真の要件

  • 写真サイズは 2×2インチ (51×51 mm)
  • 顔は顎から頭の上まで 1×1 3/8 インチ(25〜35 mm) 以内
  • 6ヶ月以内に撮影
  • カラー写真
  • 背景は白のみ
  • メガネ、帽子、ヘッドホン・ワイヤレス型イヤホンなどの着用は不可
  • 両目が開いている顔

このような要件があるものの、赤ちゃんの写真は撮影が難しいですよね。

パスポート申請公式サイトにアドバイスが載っていたので参考にして下さい。

  • カメラ目線であれば良いが、必須ではない
  • 白いシーツやタオルなどを敷いてその上に寝かせて撮る
  • タオルで頭を固定する
  • カーシートに白いタオルを敷き、赤ちゃんを座らせて撮影。

撮影場所

各種証明写真の撮影はCVSやWalgreensなどの薬局、フォトスタジオでできます。

しかし、赤ちゃんの場合は自宅で寝転がせて撮影する方が簡単でおすすめです。

印刷方法

家庭のプリンタの他、CVSやWalgreensなどの薬局、スーパーマーケットのプリントサービスで印刷可能です。

自宅で撮影した写真を印刷するときはアプリを使うと大きさや明るさが調整できて便利です。

9、Passport Fees

パスポート申請手続きにかかる費用はパスポート本体にかかる費用と申請施設への手数料の合計になります。(2020年10月時点)

パスポート手続き費用

申請費用 手数料 合計
パスポートBOOK $80 $35 $115
パスポートCARD $15 $35 $50
両方 $95 $35 $130

申請費用と手数料別に支払うので小切手は2枚以上用意しておきましょう。

10、Social Security Number

確定申告や医療保険を申し込む際に利用する社会保障番号です。

出産した病院で出生届と一緒に申請書類に記入し、提出すると子供の情報が登録され、SSNが発行されます。

手数料は無料かつ病院で申請できるので、入院中に手続きをしておきます。

また、発行されると郵送で自宅まで届きます。

一般的には提出から届くまでは2~3週間かかります。

11、DS-3053

両親のいずれかがパスポート申請に当日同行できない場合の同意書です。

16歳以下の子供のパスポートを申請する場合、申請者する時に本人と両親の同伴が必要になります。

もしも、なんらかの事情で片方が同伴できない場合は両親の同意の下にパスポートを作るということを証明しなければなりません。

申請用紙とは別にDS-3053 という正式な書類を作成し、公証人の前でサインした上で提出するという手続きをします。

これは非常に手間がかかるのでよほどのことがない限りは3人揃って申請する方が簡単です。

アメリカのパスポート申請手順

次にアメリカのパスポートを申請するまでの手順を紹介します。

出産直後に申請するのでなければ、手順③以降はしばらく時間が空くと思います。

  1. 出生届を病院で記入、提出
  2. Social Security Numberの受け取り(郵送)
  3. 出生証明書の申請、受け取り(郵送、ウォークインどちらも可能)
  4. 申請に持参するものを一式揃える
  5. パスポート写真の撮影
  6. パスポート申請用紙(Form DS-11)の記入
  7. パスポート申請できる場所を確認して予約
  8. 予約した場所でパスポート申請
  9. 郵送で受け取り

パスポート申請場所の検索方法

パスポートの申請は郵便局や公立図書館、裁判所などで手続きできます。

また急いで発行したい場合は、追加料金を払ってパスポートエージェンシーで手続きします。

後者についてはこの項目以降で詳しく説明しますね。

パスポート申請できる場所

  • 郵便局
  • 裁判所
  • 公立図書館
  • 裁判所
  • 学校
  • パスポートエージェンシー

US Passportのサイトが案内しているPassport Acceptance Facility検索ページで郵便番号や都市名を入力すれば、近くの申請場所の情報を入手できます。

写真撮影がその場で出来る施設の検索などもあります。

パスポート申請の予約方法

多くのパスポート申請場所は予約制です。電話またはオンラインで予約を取ります。

圧倒的に数の多い郵便局はオンライン予約のサイトがあるので電話が苦手という場合も安心です。

図書館は「地域名+Public Library」で検索すれば各地域の公式サイトにパスポート申請についての案内が記載されています。

中には週末も開いていてパスポート申請に対応している図書館もあります

赤ちゃんや幼児を連れてパスポート申請をするなら予約するがおすすめです。

私は夫が多忙でどうしても平日は休めないということで、第1子のときに図書館で申請しました。この時は予約なしで土曜の朝から並んで申請しました。オープン時間に行くとすでに長い列ができていて自分の番になるまでに1時間くらい待つことになりました。

一方、第2子のときには郵便局で予約をして申請しました。待ち時間はありませんでした。むしろ余裕を持って早めに到着したら予約時間前に手続きを受け付けてくれました。

予約した場所でパスポート申請

申請に必要な書類をすべて持参してパスポート申請します。

持参するもの

  • パスポート申請用紙(DS-11)1部
  • 出生証明書 原本1部、コピー1部
  • 両親の身分証明証とコピー1部
  • パスポート用写真1枚
  • 申請費用(現金または小切手のみ)
  • 同意書(DS-5053)※両親が申請日当日に同行できない場合

申請にかかった時間は10~15分程度でした。

以下のような段取りで手続きを行います。

  1. 申請書類の確認
  2. 両親が揃っていることの確認
  3. 書類に記入していることに間違いがないという宣誓
  4. パスポート申請に同意をしてそれぞれサイン(本人がサインできない年齢の場合は親が代理でサインする)
  5. パスポート代金の支払い

支払い方法は現金または小切手のみです。

申請費用と手数料の支払先が別なので小切手は2枚必要になります。

現金はおつりがないようにそれぞれ準備しておきましょう。

Birth Certificateは郵送で後日返却されます。

 

また、初めてのパスポート申請を記念に記録を残したい人もいるようで、最初に携帯やカメラは使用禁止と言われました。

アメリカのパスポートの受取方法

パスポートは郵送(Priority Mail)で自宅受け取りになります。

申請後はオンラインで手続きの状況を確認できます。

メールアドレスを登録すると、申請状況やパスポートの発行完了通知が届きます。

配達状況も確認できて便利なので申請後に登録することをおすすめします。

そしてBirth Certificateは郵送でパスポートより1週間後くらいで返却されます。

こちらはFirst class mailで送られます。

パスポート申請にかかる期間

一般的に申請して手元に届くまでは10~12週間かかります。

以前は4~6週間でしたが、新型コロナウイルスの影響によって2020年10月の時点ではプロセスに時間がかかるようになっています。

今後変更することもあるので、申請するときに最新の情報を確認しましょう。

急いでパスポートを取得したい場合

12週間以内に渡航予定がある場合は通常の手続きでは当日までにパスポートが手元に届かない可能性が高いです。

パスポートの発行を急ぐ場合は、追加料金を払ってパスポートを早く取得する方法があります。

1、緊急時のラッシュサービス

費用や申請場所は渡航予定日(アメリカ出国までの期間)によって異なります。

渡航までの期間 申請にかかる期間 費用
Life or Dead Emegency 可能な限り早く 72時間
Expedited at Agency 4週間以内 72時間 $60
Expedited 4~10週間 4~6週間 $60
Routine 10週間以上先 10~12週間 なし

※2020年10月時点の金額と期間です。

Life-or-Death Emergency

家族の緊急事態(病気、怪我、死)より、72時間以内にアメリカを出国しなければならない場合に利用できます。

政府機関またはUS Passport Agenciesに問い合わせすれば対応してもらえます。

営業時間外の問い合わせ先も載っています。

Life-or-Death Emergency Service

US Passport Agencies

このときパスポート申請の書類以外に以下のものが必要です。

  • 緊急事態であることを証明する書類(公式文書、病院や医師が発行したサイン入り文書など)
  • 渡航予定の日付の入った予約チケット

また、民間のエージェントを利用する方法もあります。

こちらは24時間休日祝日でも受付可能です。

その分費用も高いですが、本当に必要な場合はいつでも受け付けてくれるというのはありがたいです。

Rush My Passport

Fast Passport Center

Passport Visa Express

Passports and Visas

Expedited at Agency or Center

パスポート申請日から渡航までが4週間以内の場合、US Passport Agenciesで手続きすれば通常よりも早く受け取ることができます。

必ず予約が必要で、追加料金は$60です。

Expedited

パスポート申請日から渡航までが4~10週間以内の場合、通常の申請に追加料金$60を支払えば早く受け取ることができます。

2、配送のオプション

パスポートはPriority Mailで自宅に郵送されます。

追加料金$17.13を支払えば1-2 Day Deliveryという速達で届けてくれます。

せっかくパスポートが発行されても、アメリカの郵送事情によって手元に届くまでに時間がかかるということはよくあることです。

急いでいて確実にこの日までに受け取りたいというのであれば、速達を利用することをおすすめします。

まとめ アメリカのパスポート申請

最後にもう一度要点をおさらいしてみましょう。

  • 16歳以下のパスポート申請には両親の同伴が必要
  • パスポート申請は予約制
  • パスポートの受取は郵送
  • 渡航日までの期間で申請場所や料金が違う
  • 緊急時には早く取得することができる
パスポート申請のために準備するもの
  • パスポート申請用紙(DS-11)1部
  • 出生証明書 原本1部、コピー1部
  • 両親の身分証明証とコピー1部
  • パスポート用写真1枚
  • 申請料(現金または小切手のみ)
  • 同意書(DS-5053)※両親が申請日当日に同行できない場合

 

また、在日米国大使館のサイトにもアメリカのパスポート申請方法が日本語で記載されているので照らし合わせながら読むとわかりやすいです。

こちらは日本でパスポート申請する方法ですが、準備するものや手順はほとんど同じです。

すべて日本語なので英語のサイトでわかりづらい表現があるときにとても役立ちました。

 

事前準備をしっかりしてスムーズに手続きができるようにしましょう!

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