アメリカ生活

家族が集うアメリカの祝日・伝統的なサンクスギビングの過ごし方

ハロウィンが終わるとアメリカではサンクスギビングデー(Thanksgiving Day=感謝祭)に向けての準備が始まります。

海外ドラマや映画をよく観る方ならご存知かもしれませんね。

サンクスギビングデーは家族や親戚が集まって過ごす祝日で、クリスマスと同じくらい大事な行事です。

この記事ではサンクスギビングデーとは一体どんなものなのか、伝統的な過ごし方や料理なども併せて紹介します。

この記事の内容
  • サンクスギビングの起源
  • 伝統的なサンクスギビングデーの過ごし方
  • サンクスギビングデーの伝統料理

サンクスギビングデー(感謝祭)とは?

サンクスギビングの起源

大航海時代、宗教の弾圧から逃れたり新天地を求めてアメリカ大陸に移住したりする人々がいました。

その中でイギリスから海を渡ってきたピューリタン(清教徒)がサンクスギビングの起源を作ったと言い伝えられています。

ピルグリム(pilgrim=最初の移住者、巡礼者)と呼ばれていた彼らはメイフラワー号に乗って1620年の初冬にアメリカ大陸へ到着しました。

しかし、航路を外れて予定外の場所にたどり着いたため、食事や住居が満足に整わず、飢えと寒さで移民してきた多くの人が亡くなりました。

苦難や病気と戦いながらなんとか生きていこうとしている彼らを見て、先住民が手助けをしてくれます。

その助けや知恵のおかげで次の冬までにピルグリム達は十分な食料と生活基盤を確保することができました。

そのお礼として先住民の人々を招き、収穫した食べ物を一緒に分け合いながらお祝いしたことがサンクスギビングデーの始まりです。

サンクスギビングデーの日程

現在のサンクスギビングは「11月の第4木曜日」です。

最初にリンカーン大統領が「11月の最終木曜日」と祝日を明確に定めましたが、ルーズベルト大統領の時代に変更されて今に至ります。

家族の絆と感謝の気持ち

ピューリタン(清教徒)であるピリグリムの文化として受け継がれてきたお祝いですが、近年では宗教色は弱くなっています。

大地の恵みに加えて家族や友人などあらゆるものに感謝の気持ちを示し、楽しく過ごす日というように変化してきました。

当日は親しい人達が集って食事を分け合いながらおしゃべりに花を咲かせます。

クリスマスやイースターとは違って宗教に関係なく国全体でお祝いができるというのは良いことですね。

伝統的なサンクスギビングデーの過ごし方

家族や親しい人達とゆったり過ごす

感謝祭当日は家族や友人が集まり、一緒にごちそうを食べます。

詳細は後述しますが、七面鳥やパイ、移民当初にピリグリムが食べていた料理が伝統的なディナーとして食卓に並びます。

普段会えない人と再会できるのは喜ばしい反面、大勢の人が集まるホストの家庭では準備に大忙しですね。

 

そしてサンクスギビング前後は遠方からの帰省や遠くの親戚を訪れる人たちの移動によって高速道路や空港が混雑します。

家族や親族が集い、伝統料理のごちそうを食べる行事は日本のお盆や正月と共通していますね。

 

人との繋がりを大切にするイベントでも、中には親族の集まりが煩わしいという人もいます。

また、休暇を利用して旅行に出かける家庭もあります。

多くの人々に愛される祝日でも、何らかの理由でお祝いせずに過ごすこともあるようです。

サンクスギビングデーには公共サービスや銀行、デパートは休業し、スーパーも早い時間に店じまいしています。学校や大学を始め、ほとんどの会社は感謝祭当日と翌日を含め、4連休になります。各種サービスやお店が閉まってしまうので、買い物や急ぎの用事は連休前に済ませておきましょう。

サンクスギビングパレード

感謝祭の恒例イベントと言えばパレードです。

一番有名なのはニューヨークで開催されるMacy’s Thanksgiving Day Paradeです。

大手デパート・Macy’sがスポンサーをしている歴史あるパレードは

全国にテレビ中継されるほど注目度が高く、毎年どのような趣向を凝らしたバルーンが登場するか話題になります。

パレードや花火の打ち上げは各地で行われているので、お住まいの地域のイベント情報を調べて見物に行くのもいいですね。

スポーツ観戦

アメリカンフットボールの試合観戦もサンクスギビングデーの風物詩です。

国内で非常に人気が高いスポーツで熱狂的なファンが多数います。

昼間にテレビ中継で贔屓のチームを応援しながらディナーの準備をするという家庭もあるでしょう。

休暇後は即クリスマスに切り替え

サンクスギビング休暇が終わるとクリスマスの雰囲気にガラリと変わります。

休暇の間にクリスマスツリーを出し、イルミネーションの飾りつけをする家庭も多いようです。

感謝祭の翌日はブラックフライデー(Black Friday)という一年のうちでも大規模なセールが開催されます。休業していたお店もオープンし、多くの人がショッピングに出かけます。ブラックフライデーを皮切りにクリスマス、年末までは商戦期で、値引き率も大きいため、アメリカ在住者はこの時期を狙って欲しいものをたくさん購入する計画を立てます。

サンクスギビングの伝統料理

サンクスギビングの伝統料理はニューイングランド料理にアメリカ大陸の先住民の文化が加わった料理が基盤になっています。

アメリカで入手できる食材を使って故郷味付けに近づけているため煮込み料理やロースト料理が多く、全体的に質素で高カロリーな食事です。

1、七面鳥の丸焼き(roast turkey

何と言っても定番料理は七面鳥の丸焼きです。

スーパーで冷凍の七面鳥を丸ごと購入し、2~3日かけて冷蔵庫で解凍します。

内臓を取り除き、その部位に詰め物をしてオーブンでじっくり焼きます。

朝から下準備し、染み出た肉汁をターキーにかけることを繰り返しながら半日ほどかけて焼きあげます。

    

ターキーの焼き加減の調整方法は、温度計を肉に射し込んで測ったり、オーブンに入れる前に一定の温度になったら外れるピンを指しておきます。

2、スタッフィング(stuffing

角切りにしたパンやお米を野菜やハーブ等と一緒に和えたものです。

オレンジやリンゴを加えたり、使うハーブの種類など家庭ごとにレシピが異なるので面白いです。

ターキーとは別々に盛り付け、サイドメニューとして食べる家庭もあります。

3、グレイビーソース(Gravy Sauce

メインのターキーと同じくらい欠かせない重要な料理が2種類のソースです。

1つ目はターキーの出汁から作るグレイビーソースです。

ターキーやスタッフィングはソースをかけて食べるのが一般的で、スーパーでも市販のソースをよく見かけます。

4、クランベリー(Cranberry

2つ目は甘酸っぱいクランベリーソースです。

肉料理に甘酸っぱい付け合せは意外でしょうが、肉の旨みを引き出してくれます。

デザートに使われることもありますが、やはり感謝祭の定番の食べ方はソースです。

5、マッシュポテト(Mashed Potatoes

サンクスギビングディナーは肉料理をメインに、付け合せを複数用意します。

マッシュポテトは各家庭によってバターやハーブを加えたオリジナルレシピがあるのでおふくろの味とも言えます。

6、ヤム芋(Yam Potatoes

鮮やかなオレンジ色をしたサツマイモです。

水分が多いため、茹でたり、潰してマッシュポテトにして食べたりするのが一般的です。

7、インゲン豆のキャセロール(Green Bean Casserole

インゲン豆とマッシュルームをクリームソースで煮込み、オーブンで焼き上げる料理です。

野菜がたっぷり入ったグラタンのように素朴な家庭の味が楽しめます。

お好みでフライドオニオンを乗せると香ばしさが増します。

8、温野菜

肉料理の付け合せにシンプルに調理した野菜が並びます。

人参、ブロッコリー、カリフラワー、ズッキーニなどの野菜を蒸して食べます。

9、コーンブレッド(Cornbread

トウモロコシの粉を使って焼いたパンです。

甘みのある優しい味で、日常的にも食べられています。

地域によっては青トウガラシを細かく刻んで練り込んで、甘みとスパイスで絶妙な風味を楽しむ食べ方もあります。

柔らかく、温かいうちに食べるのがおすすめです。

10、パイ(Pie

秋の収穫物を使ったお菓子として感謝祭のデザートにはカボチャにシナモンやナツメグなどスパイスを加えたパンプキンパイが多いです。

また地域によってはピーカンパイ、アップルパイなどを食べる家庭もあります。

料理の手間はなるべくかけない

料理の材料をすべて揃え、手作りするかというと、実はそうでもありません。

スーパーマーケットにはサンクスギビングディナー用の缶詰や瓶詰、シーズニングを購入することができますし、手間がかからないようにケータリングを注文する家庭もあります。

温めたり盛り付けたりするだけで手軽に準備できるので初心者でも挑戦しやすいですね。

まとめ サンクスギビングは感謝を分かち合うお祝い

サンクスギビングについて起源、伝統的な過ごし方や料理を紹介しました。

家族や親しい人達と共に美味しい食事を味わい、あらゆるものに感謝するお祝いです。

また休暇中はショッピングやスポーツ観戦を楽しむのも定番ですね。

機会があれば伝統料理作りにも挑戦してみるといいですよ。

 

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