海外在住でも収入を得たい、副業で収入を増やしたいと考えることはありますよね。
ITが普及した今では海外で生活しながら、また在宅でも収入を得る方法がたくさんあります。
しかし、収入を得るアクションを起こす前に必ずやるべきことを知っていますか?
もしもこの点が曖昧なまま副業を始めた場合、違法行為になる可能性があります。
トラブルを避けるためにも事前にきちんと確認しておくべきです。
この記事では海外で合法的に収入を得る重要性と副業を始める前にやるべき6つのことを紹介します。
- 海外生活で収入を得たいと考えている
- 駐在員、駐在妻で副業をしたいと考えている
- 実際に何か副業をしている

滞在国で収入を得る場合は合法であることが重要
近年では海外生活をしながら在宅ワークで収入を得たり、専業主婦の多かった駐在妻がSNSや転売サイト、クラウソドーシングを利用して収入を得るという事例をよく耳にします。
また駐在員自身も会社からの給与以外の副業をするなど、お金を稼ぐ方法が多様化してきました。
ITが発達した現在ではパソコンやスマートホンとインターネット回線さえあれば仕事をすることができます。
その容易さは非常に嬉しいことなのですが、合法であるか注意しておかなければなりません。
副業を始める際、どのような方法があるか調べると思います。
中には「海外在住者でも可能」「誰でも簡単に始めて収入を得ることができる」と紹介されているのを見かけます。
ところが、紹介している文章では滞在国や滞在者のビザや就労条件について詳しく記載している訳ではありません。
国によって法律は様々ですので、何が合法的な副業であるかも異なります。
「他の人もやっているから大丈夫だろう。」と安易に始めてしまうと、自分の滞在国や保有ビザによっては法律で禁じられていて、気づかないうちに違法行為をしている可能性も起こりうるのです。
せっかくお金を稼ぐ方法があったとしても違法行為をする訳にはいきませんよね。
それまでの努力や時間を無駄にしないためにも合法的に収入を得る方法の下調べは入念にしておきましょう。
違法的に収入を得た場合どうなるのか
滞在国の中には居住している国で労働して得た収入はすべて課税対象になる国もあります。
例を挙げるとアメリカは法律が厳しく、課税対象が広いです。
確定申告では日本の口座に振り込まれた給与や定期預金口座の残高、株や証券など資産とみなされるものすべてを申告する必要があります。
もしも不当に収入を得たり、申告しないで脱税行為とみなされれば罰金や預金残高の徴収といったペナルティを課せられます。
最悪の場合はビザはく奪で強制送還になり、その国の再入国が制限されてしまいます。
また、自分と家族だけでなくビザのスポンサーである会社にも影響があります。
場合によっては滞在国が会社に対してビザを発行停止するでしょう。
このように警鐘を鳴らす理由は実際に大変な事態になった人もいるからです。
副業を始める前にやるべき6つのこと

誰しも不安を感じながら働くことは避けたいですよね。
そこで仕事を始める前にやるべきことを具体的に説明します。
- どんな副業があるか・できるか考える
- 滞在国で合法的に副業が可能か確認する
- 副業行為が「労動」に当てはまるか検証する
- 就労可能なビザであるか確認する
- 駐在員、駐在帯同者は社内規定を確認する
- 労働許可証を取得する
1、どんな副業があるか・できるか考える
まずは自分ができる、興味がある、やりたいと思う仕事を探します。
チャレンジする仕事が決まったら順に、法律や手続きなどの条件を確認します。
先に法律を調べても構いませんが、私は具体的にやりたいことを決めてからピンポイントで調べていく方が効率的だと考えます。
2、滞在国で合法的に副業が可能か確認する
次に、外国人の立場でしていいことなのか(滞在国の法律)、在外邦人の立場でしていいことなのか(日本の法律)を確認しましょう。
例を挙げると、海外在住者は日本の証券会社での資産運用はできません。
中には海外転勤や留学のケースでは帰国までの期間、口座維持のみ可能という会社もあります。
しかし、「日本国内からの取引」という条件に反して取引を行った場合は口座凍結や出金不可の重いペナルティが課せられます。
3、副業行為が「労動」に当てはまるか検証する
副業行為が労働とみなされると収入は労働所得になります。
その場合、就労できないビザ保持者や配偶者ビザで就労可能でも労働許可証を持っていない場合はこの方法で収入を得ることはできません。
どのような行為が労働に該当するかは滞在国の法律をよく確認しておきましょう。
日本では利子所得、配当所得の他に、著作権や印税による収入等は労働とはみなされていません。
しかし、日本で労働に該当しないからといって別の国でも同じとは限りません。
また法律が全ての項目を網羅しておらず、判断が難しい点もあると思います。
明確に記載しているソースが見つからなければ、自己判断せずに専門家に相談するのが一番です。
そしてグレーゾーンであるならば危ない橋は渡らないことです。
「他の人もやっているから大丈夫。」だと考えるのは危険です。
不明な点があれば他人の話を鵜呑みにせずしっかり調べて、気づかないうちに違法行為をしないように心がけましょう。

労働に当てはまらない収入でも確定申告は必要な場合があります。確定申告が必要な収入と必要ない収入も把握しておきましょう。詳細については別の機会に紹介していきますね。
4、就労可能なビザであるか確認する
前項でも述べたように、副業で稼ぐ方法が労働に当てはまる場合、就労可能なビザを保持していることが前提となります。
就労できないビザで働き、収入を得ると違法になるので十分気を付けなければなりません。
- 就労ビザを持ち、すでに働いている人でも副業には要注意
- ビザで許可されている範囲外の労働所得を得ると違法になる
駐在員や現地採用ですでにビザを取得し、合法的に仕事をしている方でも、副業を始めるときは注意が必要です。
なぜならば、その人が持っている就労ビザはビザのスポンサーである会社の業務に対して発行されたものであるからです。
つまり、ビザで許可されている業務・活動以外で労働所得を得ると移民法に違反することになります。
例えそれが趣味の延長でやっていたつもりでも、労働所得とみなされる場合があります。
また、アメリカのように国内外すべての収入と資産を申告する義務を課している国もあります。
副業で所得を得ている場合も申告しなければならず、これを怠ると脱税行為とみなされます。
「日本の口座に入金されるからわからないだろう。」「少額だから大丈夫。」という考えは命とりです。
ビザやパスポート、銀行口座などの個人情報は繋がっていて追跡されます。
脱税行為と移民法の違法行為はとても厳しく罰せられるということを念頭に置いておきましょう。
5、駐在員、駐在帯同者は社内規定を確認の上、会社に報告
会社に相談や報告することは賛否両論あると思います。
しかし、私はトラブルを防ぐという点で必要であると考えています。
まず社則や駐在ハンドブックで副業や帯同中の配偶者の収入についてのガイドラインがあるのか確認しましょう。
特に駐在員本人の副業は滞在国で合法であっても社内で禁止されている場合があります。
社内で副業が認められていても、合法かどうか曖昧な場合は
副業について会社に確認した上で、弁護士や税理士などの専門家にも相談するのが得策です。
面倒に感じるかもしれませんが、会社や専門家に確認することはメリットもあります。
- 相談することで合法であるかダブルチェックができる
- 就労、収入を得る方法がグレーであればストップをかけてもらえる
逆に、会社にバレなければよいと考えて報告しないでおくのはリスクが大きいです。
確定申告のときに副業や配偶者の収入がトラブルを起こす可能性もありますから、事前に了承を得た上で収入を得るようにしましょう。
6、就労するための手続きをする

考えている仕事が「労働」に当てはまり、それでもやりたいという場合は合法的に就労するために必要な手続きを行います。
- 労働許可証の取得
- スポンサーを探して新たなビザを取得
すでに持っているビザで許可証を取得すれば就労可能という場合は労働許可証を申請します。
そして新たなビザのスポンサーになってくれる会社を探す方法もあります。
これは駐在員の帯同ビザではなく、本人が就労ビザを取得して現地に滞在するということなので、副業の域を超えて就職になりますね。
その場合、手当や福利厚生の面でトラブルを防ぐために配偶者の会社とも相談しておいた方がいいでしょう。
まとめ 違法労働にならないために
海外で収入を得るために押さえておくべきポイントがおわかりいただけたでしょうか?
- 日本と滞在国両国の法律を確認する
- 労働行為が合法であるか確認する
- 違法行為をした場合の罰則は重い
もしも海外で仕事をしたい、副業をしたいと考えているのであれば、早い段階で仕事やビザについて確認することをおすすめします。
労働許可証は申請してから取得までに何カ月もかかるので、先に申請し、手続き中に仕事を探すのが効率的ですね。
そして仕事が見つかったとしても労働許可証が届くまでは収入を得る行為は控えるようにしましょう。